おはこんばんちは☆蟹取県です☆
皆さんは霊感ってありますか?
自身まったくもって幽霊など信じないのですが、たまに人の気配を感じたりすることがあります。あれってなんなんですかね?霊感なのか気のせいなのか?
自身が経験した実話です。
あれは、ちょうどカゴ釣りを覚えたばかりの5年前春でした。
今でも鮮明に覚えています。
鳥取県の春と言えば脂ののった良型のアジが回遊してきます。私は近所に住むカゴ釣りお教えて頂いた師匠(Sさんとします)ともいえる方に誘われ鳥取県の磯釣りのメッカ「長尾鼻」にアジを釣りに行くことにしました。
当日の波の予報は1.5m~2m。ちょっと厳しい気もしたのですがSさんは「大丈夫だ」と言うので私も仕事終わりに釣りの用意をして急いで長尾鼻の駐車場に向かった。
19時頃でしょうか、Sさんと合流して長尾鼻の「高座」方面に降りていくときにはヘッドライトなしでは降りられない暗さ。
「高座」という釣り場はその名の通り釣り座がとても高い位置にあるのでSさんは波を避けるためにここを選んだのであろう。ちなみに私は初めて行く釣り座である。
途中、山を下っていく階段のところで、帰る途中の釣り人とすれ違う。
「波が高いけ気をつけないよー!1段上で竿出しない」
と、教えて頂いた。
暗い中、慣れた感じで釣り座に向かうSさんに必死についていく。慣れない所の夜の磯歩きは怖い。
釣り座にたどり着いた。タックルバッカンなどを少し高くなったところに置き、早速準備をし始める。辺りは真っ暗だが微かに海の方では白波がたつのが見えた。
時たま、岩肌に打ち付ける波。
Sさんは仕掛けのトラブルで時間がかかるということで「先に釣ってて」と言われたので私はケミ蛍をつけたカゴ釣り仕掛けを真っ暗な海へ投げ入れた。
ケミ蛍の光の動きで確認すると思った以上にうねりがある。
途中、釣り座が狭いので1段下の広そうな足場で釣ることにした。
岩は濡れていなかったのでここまで波は来ていないだろう。
Sさんはまだ上の釣り座で仕掛けを直している。
ぼ~っとケミ蛍を見つめる。アタリがない。
するとSさん、準備ができたのか私の釣り座まで近づいてくる。
「ざっ…ざっ…ざっ…」
しっかりとスパイクブーツを履いて歩いてくる音がした。海の様子を伺っているのか仕掛けを投入しようとはしない。
ヘッドライトで照らすことはできないがぼんやりと姿、気配を感じていた。はず…だった。
Sさんが「K君!(私)どう?けっこう波強いね!」と
…え?
Sさんはすでに上の釣り座から竿を出していた。
うねりと波でSさんのケミ蛍を見つけることができなかっただけだった。
「となりにいたよなー」と不思議に思う。が時間がたつにつれてだんだん怖くなってきた。
魚も釣れない。
今日はダメそうだからとSさんと話し合って帰り支度をすることに。
上の釣り座まで上がって片づけているその時だった
「ズドーーーン!!!」
という岩肌を大きく打ち付ける波の音とともに、私がさっきまで居た釣り座は、背丈を軽く越してしまう波に洗われた。そしてすぐにもう一発
「ズドーーーン!!!」
すぐ横で巨大な波の柱が追い打ちを掛けるかのように釣り座を飲み込んだ
すれ違った釣り人の言葉を思い出した。
「波が高いけ気をつけないよー!1段上で竿出しない」
もしあの波にのまれていたら…
暗い荒れた海に投げ出されていたら…
その日は無事に家に帰ることができた。
私は数日後、ショアジギングで長尾鼻の「高座」を訪れた
一度行ったから大丈夫と思ったからだ。
波のない穏やかな日でした。
夜釣りで行った所を感覚で探すと、もともと高所恐怖症の私はその風景に驚愕した。
海面から10数メートルあろうか、そびえ立った岬状の足場。その足場の両サイドは断崖絶壁。もし波にさらわれて落ちていたら岩に打ち付けられ命はなかったでしょう。
そして、こんな高いところまで波が来るという長尾鼻の恐ろしさを痛感した。
のちに長尾鼻「高座」は死亡事故も起きていることを知ることとなる。
それと私の隣で感じていた人の気配は…
心の片隅にある恐怖心が想像させたものであり
「見てはいけないもの」ではなかったことを願う。
山陰日本海。一定の周期でやってくる巨大なうねりには細心の注意を払いたい。そして今でも釣りを続けていられることに感謝したいです。